レッスンNo.5  自分だけの旅写真を撮ろう!

教室の進め方。

同じものを、妻と僕が同時にそれぞれ撮り、それぞれの写真を見比べてながら、 改善点や気になった点を指摘していく、以上。 (シャッタースピード、絞りや露出など専門的なことを説明しても妻は余計に混乱するので専門用語は可能な限り使わないつもりです) 

被写体・旅写真(ロシア・ウラジオストク) 

課題・「ガイドブックにはない自分らしい旅写真」 

使用機材・iPhone 





夫・先月、ロシアのウラジオストクに家族旅行したけど、今回は旅写真で行ってみようと思うけど、どう?

 

妻・いんじゃない。旅と写真って昔から永遠の組み合わせだよね。

 

夫・そうそう、写真を撮らない旅って味気ないし、いいカメラ手に入れると人は旅に出たくなるんだよね。

 

妻・で、今回の作例ってどう? ホテルの窓から撮った何気ない風景。私は被写体としてはそんなに乗り気じゃなかったけど、あなたがここで撮ってくれっていったけど撮りました。 


夫・旅に出ると、ホテルの窓からの風景を撮るのが、ここ10年以上の僕のマイルールなんで。 


妻・それは前々から知ってるけど、なんで窓なの。街の外に出て、観光名所を撮ればいいじゃない。それが普通でしょ? 


夫・うーん、そうなんだけど、観光名所はポストカード買えばいいと思っているから‥・ 


妻・はぁ?  


夫・ポストカードの写真って、地元の写真家が長い時間かけて一番いいアングルから、一番いい光のいい時間帯で撮ってるはずだし、多々あるカットの中のベストが選ばれているわけだし。ぽっと来た者が撮ったって、かなうわけないんだ。だから、基本撮らない(笑)  


妻・まぁ、そう言われれば、あなたが観光名所で写真撮ってるところほんとんど見たことないね。 


夫・なんならポストカード買わなくても、この時代、名所ならネットで検索すればたくさん写真出てくるじゃない。それ見ればOKでしょ(笑) 


 妻・なら、旅で何撮ればいいわけ? 


夫・やっぱりそこに自分だけの物語性が大事なんじゃないの。家族旅行なら、家族、友人となら友人のいろんなシーンを撮るのが基本かな。あと、食べた料理とか。 


妻・意外に当たり前すぎて逆にびっくり。別にそんなこと説明されなくてもみんなそうしてるでしょ。ところで、話戻すけど、なんで旅写真でいつも窓なの? 


夫・ホテルの窓も自分だけの物語性をつくれる場所だと思うから。窓ってある意味、旅の額縁だと思う。現実風景を好きな風に切り取って撮れるでしょ。それに室内より外の方が明るいから、風景に自然と目が行く。これ、トンネル効果っていうんだ。あと、個人的に「窓」には昔から特に思い入れあるしね。 


 妻・思い入れ?  


夫・うちの親父、建具職人だったでしょ。窓がいいとそこから見る風景がワンランクアップするんだって、小学生のころから思ってた。絵画だって、いい額に入れるだけでグレードアップするでしょ。窓は旅風景の額縁です!  


妻・なるほど、それは分かったけど、旅写真の関係が今一つ分からないけど。  


夫・それは、ホテルの窓の風景だけは、ぽっと来た旅人が唯一、一日の光の流れを定点観測しながら撮れる場所だから。さっき言った、観光名所を一番いいアングルからマジックアワー時に狙えるって、早々できない。しかも、定点観測で。 


妻・ごめん、マジックアワーって何? なんか聞いたこと気はするけど。 


夫・マジックアワーって、一般的には一日に2回あって、一回目が日の出30分前あたり、二回目が日の入り30分後あたりの時間帯。そこそこ明るいんだけど光自体に方向性がなくて、独特の雰囲気の写真が撮れると言われている。 


妻・なるほど、ホテルの窓からだったら、その時間帯、わりと楽に狙えるね。でも、そうなると、窓からの風景が重要になるね。 


 夫・そうそう、それ重要。いつもホテルの窓からの風景が理想的とは限らない。  


妻・ある意味、運任せ? 今回のウラジオストクはそんなによくなかったね。  


夫・まあね。それにロシアって寒さに備えて窓がペアガラスだった。しかも、中に湿気が溜まって曇りガラスになってしまってるとことも多かった(笑)。それに雨天続きで太陽光線の変化があまり狙えなかったね。 


妻・まぁ確かにそうだったね。 


夫・いつも最高のロケ―ションに恵まれればいいだけど‥。今まで最高だったのは、3年前のポーランド・クラクフのホテル。2番目がその前年のパリだったかな。ネットで予約時に、ホテルの窓からの写真が確認できればラッキー。あと、グーグルのストリートビューで、ホテルの外観をチェックして、そこからの眺めや周辺の風景も可能な限りチェック。でもチェックイン時に裏窓の部屋に案内されることも多いし、あとはやっぱり運任せ(笑) 


妻・あぁ、クラクフはよかったね。あなた、ほとんどホテルにいたもんね。まぁ、いつもそうだけど(笑) 


夫・眺めのいいホテルと、歩いて300m以内に居心地のいいカフェ、市場があれば、それ以上は旅に求めない。それでだけで、満足しちゃう体質なんで。ちなみにこれがその時に撮った写真。 

左端が朝、右端が夕のマジックアワー時。真ん中2点はそれぞれ別の日の昼間に撮りました。(日にちや時間帯変えて、全部で50カットぐらい撮ったうちの4枚です)撮影地・クラクフ旧市街地。



 妻・確かに、これ、ホテルの窓からじゃなかったら、時間的にもツライね。その都度、出かけないと撮れないし。  


夫・本当は三脚持っていって、固定して狙えばベストだったんだけど、ミニ三脚しかなかったから、この時は、床に立つ位置をテープで印して、なるべく画角が狂わないように気を付けた。 写真の中の塔は有名な名所でポストカードなどいろんなところに出てるけど、こうやって撮ると、自分だけの写真になるよ。 


妻・ここホテルのあるエリアがすでに世界遺産だったし。あぁ懐かしい。また行きたくなってきた。 


夫・で、一番最初のウラジオストクの作例に話は戻るけど、まぁ。だいぶいいんじゃない。理想を言えば、窓枠はなるべく入れてほしかった。トンネル効果も生かせるし。それと窓撮る時、カメラの水平&垂直だけ気を付けてほしいけど、今回は許容範囲。あとは同じ場所から同じ画角でマジックアワーなり、いろんな時間帯で狙えば、自分だけの旅の物語性のある写真が撮れるよ。 


妻・なるほど‥。ただ、そうすると結構の時間、ホテルにいないとダメだよね。私はやっぱり街歩きの方が楽しいかな。まぁ、あなた一人でホテルにいて撮れば? 


夫・いやいや、マジックアワー時ってたいがいホテルに戻ってるし、昼間でも一回ぐらい部屋にいるでしょ。意外に撮るタイミングって多いよ。少なくとも、一回行って終わりの観光名所よりは。 


妻・まぁ、そう言われればそうかも…。 


夫・僕の場合、旅のマイルールは「窓」なんだけど、結局はなんでもいいと思う。要は自分のマイルールを作って、毎回の旅ごとにそれを撮り貯めていけば楽しいよ。例えば、泊まった部屋のドアとか、冷蔵庫とか…。なるべく同じ構図で。カメラマンって一種のコレクターだから。写真家が作品撮り貯めることって、自分のコレクション増やしていくことだもん。  


妻・なるほど‥。あなたがコレクターだとは知らなかったわ。  


 今回の上達3法則

1・出発前にある程度、自分なりの物語(テーマ&ルール)を絞っておく。

 2・マイルールを決めたら、旅のごとに長く実践。

 3・名所でいい写真を撮りたいなら、ポストカード買った方が早い。

大人マナー「日本一やさしい写真教室」

うちの妻はライターです。機械音痴というか、まったく写真はド素人です。 現在、世の中の「写真」の85パーセントはカメラではなく、スマホで撮られています。 多くがSNSにアップされるなど自分以外に見せることも少なくありません。 ならば写真の撮り方は、もはや、大人マナーのひとつ。 妻にも、もう少し上手くなってほしいと、マンツーマンの写真教室を開くことにしました。

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