夫・今まで正方形だけだったけど、今回は縦位置 or 横位置も意識して撮ったけど、どうだった？

妻・スマホはいつも縦持ちだから、何も考えないないと縦になってしまうけど、今回はあえて横位置でいきました。

夫・あえて横位置を意識したことに前進感じる（笑）。実際の理由は？

妻・建物が横に広がっていたから。自然と横になったのかな。でも、建物は大きすぎて正直分からない。これでどう？

夫・建物が少し歪んじゃったのは残念だけど、基本まぁまぁいいと思うよ。今回の一番の違いは、君が横位置、オレが縦位置を選んだってことかな。

妻・そう言えばそうだね。普通、写真って横位置の写真が多い気がするけど。私は建物が横に伸びてるから横位置で撮ったんだ。

夫・うん、それはそれでいいと思う。建物が横に広がってる感じがよく出てていいと思う。

妻・じゃあ、あなたはなぜ縦位置で撮ったの？

夫・まぁ、正直言えばなんとなく、って感じ‥。

妻・プロ、プロって言ってるけど、結構根拠ないんだね？

夫・いやいや（汗）。写真における横位置、縦位置の法則ってものは一応あるんだよ。

妻・どんな？

夫・割と理屈っぽくなるけど、大丈夫？

妻・どうぞ、どうぞ。

夫・横位置はざっくり言うと周辺の「状況」を写す。縦位置はこれだ！という「主題」を写す。人間の両目って左右横についてるでしょ。だから人間の視覚は基本、横位置。特に意識せず普通に道歩いている時は、横位置で世界（状況）を見ているんだ。写真も基本、横位置の方が自然な印象。

妻・ふーん、じゃあ縦位置は？

夫・これだ、というものを見つけて意識を向けた時、人の視界って縦位置になる。例えば道歩いていて急に知り合いに会った時、縦位置で相手を見始める。路上で手元のスマホをチェックする時もそう。左右の状況は目に入らなくなるでしょ。主題を見つけた時、人は縦位置で世界を見ている。

妻・それって科学的というか、医学的根拠でもあるの？

夫・すみません、ないです‥。オレ自身の感覚です。でも、会話の最中に相手の目線が横方向に何度かそれると、気が散り始めているのかな、って感じるじゃない。

妻・あぁ確かに。大昔、学生の就活時、面接官の前では目線の動きは縦方向はOKだけど、横方向はNGって教わったなぁ。

夫・まぁとにかく、人間の視界は主題を見つけ、それに集中した時は縦方向に動くんだ。だから、写真も主題を前面に推したい時は縦位置で行った方が勝算は大きい。

妻・それって写真界では常識なんだ？

夫・いや、それは知らない。オレの経験的な感覚。

妻・机上より、現場の感覚ってことね。

夫・いつだって事件は会議室（教室）じゃなくて、現場で起こっているから。

妻・了解！

夫・ということで、オレの縦位置の「主題」の続き。今回の場合、主題はパルテノン神殿風（？）のちょっと威厳ある雰囲気。君の写真には後ろにノッポのオフィスビルが写っているけど、はっきり言って今回は邪魔。なのでばっさり捨てた。縦位置にするとそれもカットできて余計に好都合だった。神殿がビルに見降ろされたら、威厳も半減でしょ。そして、建物がなるべく歪まないように、少し離れてやや望遠気味で切り取るようにした。

妻・写真って結構嘘つきだね。

夫・否定はしません‥。最後に奥の手を一つ。

妻・また、屁理屈？

夫・今回はあえて縦or横で撮ったけど、前回、前々回のようにスマホだと正方形の画角を選べるでしょ。これだと、縦横の呪縛から逃れられるし、縦横のいいとこ取りができる。慣れるまで、君は正方形で撮った方がいいかもって今回思った。

妻・そうだね。正方形の方が撮りやすかった気がする。写真撮る時はいろんなことで迷いが出てくるけど、正方形だと少なくとも縦横で迷うことはなくなるから。

夫・それに正方形は縦方向、横方向、それぞれきっちり三等分できるでしょ。

妻・真四角の豆腐もそうだね〜。

夫・じゃあ豆腐に例えよう。包丁を真上から入れると縦横線の交点が4カ所できるんだけど、主題をこのどこか一点に置けば、あら不思議！俄然プロっぽくなるよ（写真参照）。構図の勉強には真四角が一番向いてる。

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